1.脳の酸素交換を捉える

脳にはたくさんの血管があり、血液が運ばれています。
血液の中には、赤血球という成分があり、酸素と結合したヘモグロビンを抱えています。
運ばれた酸素は、酸素が必要な組織に受け渡されます。

血管には酸素を交換する血管と、交換しない血管があります。
酸素交換をする酸素は毛細血管といいます。

COEは光を使って、毛細血管の酸素交換を捉える技術です。

例えば、あなたが漢字を書いているとします。
漢字を書くときに働く場所には酸素が必要ですので、酸素が細胞に移動します。
これをFORCE効果と呼んでいます。
酸素がなくなった血液は使用済みの汚い血となって、下流の静脈へ流れていくことになります。

脳が働けば、きれいな血(未使用の血)が汚い血(使用済みの血)に変わるわけです。
酸素が、血液中のヘモグロビンとの結合から離れて、神経細胞に移動するからです。
脳を使うと酸素が必要になるのです。

しかし、漢字を書くときに働かなかった場所もあります。
その場所には酸素は必要ありませんから、そこを通る酸素は受け渡されることなく、
未使用のまま、きれいな血として通り過ぎることになります。
これをWatering効果(素通り効果)といいます。

COEは、このFORCE効果と素通り効果を区別できる唯一の方法です。
これによって、脳が働いた瞬間の酸素の使い方を捉えることができるのです。

左図は、花の絵を描いているとき(左)と、
字を書いているとき(右)のFORCE効果を
分かりやすいように図に表したものです。

描画と書字では、
使う場所がまったく違うことが一目瞭然です。
これくらいのことは簡単に分かります。

右図は音楽を聴いているときです。

何も聴いてないとき(左)と
音楽を聴いているとき(中)、
頭の中で歌っているとき(右)です。
脳の使い方はこうして見ることができます。

2.脳の血管にも下水道があります。

酸素を受け渡して「使用済みの血液(脱酸化ヘモグロビン)」と、
酸素を受け渡さずに素通りした「未使用の血液(酸化ヘモグロビン)」は、
血管の下水道である静脈へ流れて合流します。

最近、巷で「脳科学」と称されているものは、
残念ながら、この下水道を観察したものがほとんどです。

もうお分かりだと思いますが、下水道である静脈には、
脳の働いた場所を通った汚い血も、素通りした血も混ざっているわけですから、
脳の機能を正確には反映していません。
PETやfMRIといった方法では、この下水道のデータを排除するのが困難です。

COEは、この静脈の下水道効果を排除して、
本当に働いた脳の機能を観察できます。(講演資料PDF)

だからこそ、私はこれまで、この精度の高い方法で、
健康な人の脳だけでなく、脳に病気を抱えた人たちのMRI鑑定COE検査を行い、
リハビリや、教育に役立つ情報を提供してきました。

COE検査の事例はこちら

COEってなに?

1.脳の酸素交換を捉える
2.脳の血管にも下水道がある


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このような書き込みもいただきました。

■ちなみに実験系ならばfMRIなんて大掛かりでやるより、加藤俊徳先生のところのCOE(酸素交換機能)の実測なんか用いたほうが手軽でいいんじゃないかなとも思う。かなり動的な変化がみられるし、体が固定されてるわけじゃないんで実験するにはいいんじゃないかと思う。これはいいアイディアだと思うんだが。 
http://blog.livedoor.jp/t01307kk/

■もともと認知系だったので(本当はいつか戻りたい 笑)、脳に障害を持った方の認知というのは非常に興味あります。最近も加藤としのりという脳科学者の講演をきいてて、脳はやっぱり面白いなと思いました・・・
kinjoblog:サイワールド - livedoor Blog(ブログ)

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